ス5
「それは今でもいてネ。しかも相性がサイアクで、こちらの主張には聞く耳持たないし、性格ワルイシ……」
口調が愚痴っぽくなってきたのを冴羽が(こいつも吸血鬼か? それとも他のバケモノなのか? あるいは人間なのか?)脇から『社長』と短く指摘する。吸血鬼はコホン、と咳払いし、
「……とにかく、ボク等としては奴等に見付かるのはとってもマズイ。だから、こうやってコロニーを形成シテ、新聞にデカデカと乗るような殺人事件をバケモノが起こセバ、ボク等がそのバケモノを狩ル」
なるほど、人間のためじゃなく、外敵から身を守るための自己防衛策か……そういう利害があった方が信用しやすい。
もっとも、こんな人殺し、信用するつもりはさらさら無いが!
「ところが、ダ。探偵サンも知っているだろウ? 最近の事件、血を抜かれた死体ナンテ、あれは絶対バケモノの仕業ダヨ」
圧力をかけた成果だろう、警察では血を抜かれた死体、と発表していないが……俺が調べ上げた注意点はまさにそこだった。血を抜かれた死体。どう考えたって、吸血鬼の仕業だと身内のバケモノは考えるだろう……クソッタレめ!
「だけどサァ……心当たりが無いんダヨ。困ったことニ」
俺の表情が訝しげになったのだろう、このクソッタレはソファから身を乗り出す。